Borland買収される、Delphiの栄枯盛衰

かつて、DelphiやC++ Bluiderで名を馳せたBorland社が、Micro Focus Internationalに買収されることに合意しました。買収金額は約7500万ドル。またひとつ、PC黎明期に愛された企業が消えようとしています。

Borland Software Corporation to be Acquired by Micro Focus International plc (Borland.com)

その歴史は古く、1983年にフランス人実業家のフィリップ・カーンによって設立されました。カメラ付き携帯電話を発明した事で有名な人です。彼が在籍中のBorlandは輝かしい軌跡を辿っています。MS-DOS用開発ソフトTurbo Pascalに始まり、Turbo C、Borland C++。そして、Windows時代に入り、Delphi、C++ Bulider。これらは、Microsoftのオフィシャル開発ソフトであるQuick C、Visual C++と、互角かそれ以上の戦いを続け、使いやすさならBorlandと言わしめるまでになりました。Visual C++が名前に反してコードベースの開発しか出来ないころ、今日の開発ツールの基礎とも言えるビジュアル編集を実現していたのです。

しかし、その栄光も長くは続きませんでした。このエポックメイキングなビジュアル開発ツールを設計した開発者達が何人もMicrosoftにヘッドハンティングされました。この頃からBorlandは徐々に力を失っていったような気がします。今ではDelphi開発陣の血を受け継いだVisual Studioのほうが市場を席捲しています。

晩年のBorlandはエンタープライズ向けソリューションにシフトしていき、中小や個人の開発者からは遠い存在となってしまいました。2008年にエンバカデロ・テクノロジーズへ開発ツール部門を売却した後は、ほとんどもぬけの殻だったような印象を受けます。

このまま、Borlandのブランド名が消えていくのでしょうか。もう、開発ツールとは無縁のブランドとは言え、なんだか寂しく感じてしまいます。