Irrlicht、.NETのサポートを放棄

Dropping Support for Irrlicht.Net(Irrlicht3d.org Blog)

Irrlicht.NETは、C#やVisualBasic等の.NET言語でIrrlichtを利用可能にする、Managed C++で書かれたラッパーです。私は数年前に興味と好奇心から、この実装を始めました。成果物も存在し、幾つかのゲームは既にこれで書かれています。しかし、オリジナルのIrrlichtエンジンよりも大幅に機能が少なく、残念ながら私のサポートもおざなりでした。したがって、この不遇な状況を終わらせるときが来ました:

私は完全にIrrlicht.NETのサポートを放棄します。

しかし、これは実際には朗報です:外部プロジェクトのIrrlicht.NET CPが代替手段となり、Irrlicht.NETが目指した事をより良い形で実装しています。もし、Irrlichtを.NETで使いたいなら、これを試してみてください。また、Irrlicht.NET CPはMono(MonoはManaged C++やMixed mode assemblyをサポートしていないので、Irrlicht.NETには必ずしも必要ではない)ベースで利用可能です。拡張シーンノードのような素晴らしい機能が使え、全GUIオブジェクトにも同様にアクセス出来ます。私は1週間前にIrrlicht.NET CPを試し、非常に気に入りました。Irrlicht.NET CPは、Irrlicht1.3.1もサポートしています。私達は、今後のSDKに、Irrlicht.NETの代わりに、これを可能ならバンドル出来れば、と望んでいます。

翻訳 - 屋森英樹

Irrlicht.NET CPは.NET互換のプロジェクトMonoをベースにしたことにより、クロスプラットフォームを実現しています。CPはCross Platformの略です。Irrlichtチームは.NETのサポートを打ち切り、今後は外部プロジェクトのこちらへ後任を譲る形になりました。

開発リソースをアウトソーシングすることで、結果的にプロジェクトの勢いを保て、Irrlichtコミュニティが更に活気付くのではないでしょうか。

GPL3正式公開

16年ぶりの改訂、「GPLv3」が正式にリリース

フリーソースウェアのライセンスの1つGPLが、2007年6月30日(米時間)にVersion3を公開しました。Version2を発表してから16年ぶりの改定になるそうです。

この改定は現在のインターネット時代に即したものになっているらしいです。しかし、ざっとDraft版の暫定日本語訳(OpenTechPress)を読んでも私にはVersion2との相違は目につきませんでした。追加条項として、DRM(著作権管理機能)を追放する意味合いの文言が記載されているくらいでしょうか?

いくつかの国々では、ユーザがデジタル制限管理 (Digital Restrictions Management) から逃れられるようにするソフトウェアを禁止する法律を採用してしまっています。 一部のコンピュータは、ユーザに対し、コンピュータ内のソフトウェアの改変されたバージョンをインストールしたり、実行したりするためのアクセスを拒否するように設計されています。 DRM これは、ユーザ がソフトウェアを変更する自由を守るというGPLの目的とは根本的に相容れません。そこでGPLは、GPLが保護するソフトウェアは、そこから逃れることが禁止されているデジタル制限の対象になることも、あるいは他の著作物を対象にすることも決してない このような方法で制限されることがないということを保証します。

この改定に伴い、プログラム製作者は現在配布中のソースにGPL3を適用するも良し。GPL2のまま踏みとどまるも良し。内容を十分に吟味して自分に合ったものを選んでください。

ちなみにGPLの私の解釈は以下の通り。誤解があるかもしれないので、GPL(Wikipedia)等、より詳しい記事を熟読してください。

  1. 再配布時もGPLを適用しなければならない
  2. 改変配布時はオリジナルとの相違を明確にする
  3. ソースコードを要求されたら開示を拒んではいけない
  4. 有償で配布したり、商売に使うことを制限はしない
  5. 動的リンクされた場合、親アプリを含む全ソースを開示するべし(事実上の解釈)