VR Cover社製接顔パーツ PUレザー製

Oculus Quest 2、接顔パーツリコール、交換手順詳細

Facebook社がVRヘッドセットのOculus Quest 2に関して、リコールを呼び掛けた。接顔パーツで軽い皮膚炎を起こす場合があるとのこと。早速、手続きをしてみたので、その詳細をお知らせする。代替品の接顔パーツは無料で送ってもらえる。

ここでは、交換手続きから新しい接顔パーツが送られてくるまでを詳細に説明していく。サポートから無視されても諦めずに申請して欲しい。


目次


経緯

この問題は2020年12月22日、発売から2ヵ月の時点でFacebookが報告していた。

Customer Support Update for Quest 2 Foam Interface(www.oculus.com)

Oculus Quest 2ユーザーの0.01%(発表当時)に、ウレタン製接顔パーツにより皮膚の炎症が発生。ほとんどは自然治癒し、現在は原因と思われる部分を改善したパーツに変えて出荷されている。

この報告がなされた時点では、炎症が起きサポートへ連絡した人にだけ、個別対応で代替品の接顔パーツを送付していた。が、今回、Facebookは健康被害を重く見たのだろう。経産省を通じて大規模にリコールを公表したのだ。

「リコールが公表されるとどうなるか?」と言うと、ネット通販や家電量販店で購入した連絡先の追える顧客へ、リコールされた旨が遍く通達される仕組みとなっている。実際、アマゾン等で購入した人には通知が届いていたようだ。

この接顔パーツのリコール開始日は、2021年2月15日頃、経産省の該当ページが公表されてからだ。が、Facebookによる上記報告記事では公表日の2020年12月22日としている。

Facebook ヘッドセット用接顔パーツの交換(経済産業省 リコール情報)

遅れて、消費者庁のリコール情報サイトでも告知されている。

Facebook Technologies LLC「ヘッドセット用接顔パーツ:Oculus Quest 2」 - 交換 (消費者庁 リコール情報サイト)

前準備

まず、次の情報を用意。これらは必ず訊かれる。

  1. ヘッドセットのシリアル番号(必須)
  2. 購入証明書(スクリーンショット/写真/無くても可)
  3. 注文番号(Oculusストア/各購入店のもの/無くても可)
  4. 送付先
  5. Oculusアカウント名
  6. Oculusアカウントメールアドレス

注意しなければいけないのは1。シリアル番号は箱の横に書いてあるものではなく、ヘッドセット左のスピーカー裏に刻印されている方が必要だと言うこと。

Oculus Quest 2のパッケージ側面のシリアル番号はHMDと別物
Oculus Quest 2 HMDのシリアル番号はスピーカー左側に隠されている

ヘッドストラップは、可動部と反対側、スピーカーに近いところをゆっくりめくるようにすると外れる。壊さないように優しく行わないといけない。

ヘッドストラップはスピーカーの端から優しくめくる
ヘッドストラップを半分外したところ

但し、やっとヘッドストラップを外したとて、これは相当目が良くないと読めないかもしれない。刻印が薄くて小さいのだ。だが、安心して欲しい。既にセットアップ済であれば、スマホのOculusアプリからシリアルナンバーを確認できる。

OculusアプリからHMDのシリアル番号が確認可能

なお、2021年1月4日以前に製造されたヘッドセットは、炎症の有無に限らず無条件に交換対象。それ以降のヘッドセットは皮膚炎を経験したユーザーが対象となる。

2021年1月4日以前製造の具体的なシリアル番号は次の通り。

  • 最初の5文字が「1WMVR」もしくは「1WMHH」
  • 最後の文字から4番目の文字が「0(ゼロ)」
2021年1月4日以前に製造されたヘッドセットのシリアル番号

フォームから連絡

それでは実際に交換品の申請をしていこう。初回の問い合わせはウェブフォームからのみ。電話、メール、ライブチャットは存在しない。以下のリンクをクリック。

既に一番上の項目リクエストタイプに「Quest 2の接顔パーツを使用した際に発生する肌への反応を懸念している。」が選択されている。選択されていない場合は選択し直そう。

Oculusお問い合わせフォーム
Oculusお問い合わせフォーム

次のメールアドレスは、一連の手続きをやりとりするためのメールアドレスだ。出来る事ならOculusアカウントに登録されているアドレスと同じにするのが望ましい。

「お問い合わせの理由」は「交換用の接顔パーツを希望する。」を選択。返金も選択可能だが、Oculusストア以外で購入したものは受け付けてもらえないと思った方が無難だろう。量販店も関わりたくないのか、初期不良含めOculusサポートへ問い合わせろと丸投げである。

全て入力した例がこちら。最後に購入証明書となるレシートやメールのスクリーンショット、写真を添付して送信。これでリコール申請の第一段階は完了となる。

Oculusお問い合わせフォーム記入例 前半
Oculusお問い合わせフォーム記入例 前半
Oculusお問い合わせフォーム記入例 後半
Oculusお問い合わせフォーム記入例 後半

なお、送信ボタンを押すと、ほぼ確実にCAPTCHAが表示されロボットではないか試される。やり直しも可能なので、慌てずじっくりと人間の英知を注ぎ込もう。

問い合わせにはCAPTCHA攻略必須

メールでのやり取り

最短の流れは次の通り。

  1. 自動返信メール
  2. (追加情報の要求メール)
  3. 交換品購入用カートへの案内メール

申請すると少し間をおいて、support@oculusvr.comから自動返信メールが届く。タイトルは「Re: Quest 2: Facial Interface」。問い合わせフォームに入力したアドレスのメールボックスを確認しよう。

Oculusからの自動返信メール

見つからないようなら、迷惑メールフォルダを探すか、1時間程待ってみても良いかもしれない。もしも、自動返信メールが届かないようなら事故だ。問い合わせフォームから申請し直そう。実際に初回の自動返信メールが何日も届かないと言う人をネット上で見かけている。

約1営業日後(遅くとも3営業日までに)、Oculusサポートから返事が来る。次のような交換品購入用カートへの案内メールが来れば大成功だ。

交換品購入用カートへのURL案内メール

ただ、残念なことに、カートへの案内メールではなく、追加情報の要求メールが来るケースがある。その場合は必要な情報を記入して返信すること。しかし、英語メールが来た場合は大ハズレなので、素直に問い合わせフォームから申請し直した方が良いだろう。日本語でも斜め上の要求をされることがあるから厄介だ。

Oculusから英語で返事が来た例
Oculusから英語で返事が来た例
Oculusから斜め上の返事が来た例
Oculusから斜め上の返事が来た例

また、一旦Oculusサポートスタッフが介在すると、返信しても7日以上音信不通になることがある。筆者の場合は4回中4回、毎回無視され続けた。SNS上では、サポートから長期間放置された被害者が他にも散見されている。サポートシステムに不具合があるなら修正して欲しいし、サポート人数が足りないなら増員するなりして欲しい。

何にせよ、ここを乗り切れば、晴れて交換品の接顔パーツが手に入る。無視されても絶対に諦めないで申請し続けよう。以下に申請フローを書いておくので参考にされたい。

接顔パーツ申請フロー

隠しルートとして、サポートが送付先を訊いて発送申請まで手作業で行ってくれるケース、交換品を無料で買えるクーポンだけをアナウンスするケースも見られた。


接顔パーツ送付申請

交換品購入用カートへの案内メールのリンクをクリックすると、Oculusストアへ案内され、接顔パーツを選択できるようになっている。ストアの表示にはログインが必要だ。URLが本物か不安なようなら、クリック前に予めOculusサイトへログインしておくと、認証画面をスキップできる。

交換品購入用カート
交換品をカートに入れた画面

カートへ接顔パーツを入れ、チェックアウトボタンを押し、送付先をローマ字で入力していく。国際便で送られてくるため、決して日本語で入力しないように注意。

送付先記入例

全ての入力が終わったら、「注文する」ボタンを押して申請完了。最後に「ありがとうございました。」の文字と共に15桁の注文番号が表示される。この注文番号は、この画面に1回だけしか表示されないので忘れずに控えておくように。

注文番号の表示はこの画面だけ

今回の交換品送付申請では、Oculusストアのカートを流用しているにもかからわず、完了メールが送られてこない。しかも、Oculusアカウントの購入履歴にも残らないのだ。万が一、発送されなかったときは、この注文番号が分からないと、問い合わせに支障が出てしまうだろう。

交換品は注文履歴に残らない

接顔パーツ受け取り

交換品詳細ページには配送予定日が1ヵ月先となっているかもしれない。だが、実際にはずっと早く、送付申請してから1週間ぐらいで発送されることになる。発送時に申請したアドレスへメールが届く。

発送通知メール

発送されると到着まで約3~4日。遅くとも1週間以内には手元に届くはずだ。筆者のケースでは米ケンタッキー州からアラスカ州を経由して、2日後には成田空港に到着した。

UPS公式はステータスが上書きされるので17Track推奨

最後に地元の運送会社クロネコヤマトへ引き渡され、各家庭へ向かうことになる。UPS営業所近くに住んでいる方へはUPS配達員が直接配達することもある。UPS直配達の場合、「平日のみ、時間指定は午前(9-12時)と午後(14-19時)だけ、当日再配達不可、3回受け取りチャンスを逃すと強制送還」と、かなり制約が多いので注意されたい。受け取りタイミングに不安がある人は、予めクロネコヤマトへ引き渡してもらうこともできる。早めにUPSへ申請しておこう。

UPSからクロネコへ引継ぎ

また、クロネコヤマトへ引き渡されると、UPSのページからはそれ以降の詳細な追跡ができなくなる。ローマ字表記のため、クロネコメンバーズに登録していても通知が来ない。引き渡しの翌日には配達されると思うが、気になるならUPSへクロネコヤマトの追跡番号を問い合わせてみると良い。ものの数分で教えてもらえる。

以下が受け取った接顔パーツの代替品だ。

VR Cover社製接顔パーツ ケース
VR Cover社製接顔パーツ PUレザー製

現在Oculus Quest 2本体に付属していると言われる純正改善版パーツではなく、VR Cover社が販売するPUレザークッション仕様のものとなる。"プラスチックの接顔フレームx1、PUレザークッション(通常版)x1、PUレザークッション(厚手版)x1"の3つがプラケースに収められている。定価29ドルの高級品だけあって、純正クッションより付け心地は格段に上がる。

但し、メガネ使用者へ注意点が1つ。この接顔パーツはOculus Quest 2純正のメガネスペーサーと互換性が無い。VR Cover社は、レンズとの距離を離す試みとして、付属のPUレザークッション厚手版を使うことを推奨している。


最後に

当初、極少数のユーザーが症状を訴えているだけとのことだったが、いざリコールしてみれば、言わないだけで違和感を感じている人が多かったように感じる。かく言う私も、ザリザリするヤスリのようなスポンジにより頬が赤くなっていたのだが、軽度だからと我慢していたのだ。

皆、遠慮せずに交換品を受け取って欲しい。また、申請を無視されても、再挑戦することをお奨めする。快適なVRライフを目指そう。

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