IE7.0への更新は選択制、しかし対応は必須!

2008年2月よりWindows XPのIEが7.0へ自動更新されることになっていました。

2008年2月13日より自動更新機能による Windows(R) Internet Explorer(R) 7 の配布開始 (Miscrosoft)

しかし、現実はIE7.0に必ずしもアップデートする必要はなく、IE6.0で運用を続ける人も出てくるようです。 IE6.0は2009年までサポートが続けられ、セキュリティ更新も2014年まで維持される模様。IE7.0に強制アップデートされると思っていた私には残念なお知らせでした。

強制アップデートになると古いシステムで弊害が出る可能性があるのは承知しています。Microsoftもそれを考慮して選択肢を残したのでしょう。ですが、IE7.0は日本だけ移行期間を1年も延長していました。閉鎖的な企業内システムでもない限り、一般へ開放されたアクティブサイトは、この猶予期間でIE7.0に対応する責任があったと思います。現実には残念なことに未だIE6.0しか動作保障していないサイトが多いです。

では、なぜIE7.0に対応させる必要があるのでしょうか。 2つの理由があります。

1つはユーザ視点から見たメリット。時代に即した最新の技術が使われており、フィッシングサイトやウィルスの脅威からユーザを守ってくれる確率が大幅に高くなります。また、タブ機能のような新スタイルにより、旧バージョンより使いやすくなっています。PCのスペックが低くて処理がきついと言う人以外は、大半が更新するのではないでしょうか。

もう1つはブラウザ互換性に対する改善。IE6.0の時よりも、遥かにW3C標準に近づいています。これの意味するところは明快で、コスト削減に繋がっていくのです。W3C標準のXHTMLやCSSで記述をしておけば、今後出てくるであろう新ブラウザでも、修正する必要なく望んだレイアウトに近い形でページを閲覧できます。もちろん、これは理想であり、現状はIE6.0に対応したページのレイアウトが、IE7.0で崩れるといった現象も見られます。ただし、これはIE6.0がW3C標準とは大幅にかけ離れていたための不具合。今後は最新のIEに対応させていけば、開発者の負担が減り、牽いてはコスト削減に貢献することになるでしょう。

さて、IE7.0に強制アップデートされなくなって喜んでいるサービス提供者は、2008年2月現在のブラウザトレンドをご覧下さい。

Browser Version Market Share for February, 2008 (NET APPLICATIONS)

Browser Version Market Share for February, 2008

IE7.0は44%、IE6.0は31%。実に13%もIE7.0のほうが上回っています。今や市場シェアNo.1 はIE7.0なのです。まだ未対応であれば早急に対応したほうがいいでしょう。ユーザ離れを起こしたくないのであれば。

今の後手後手の企業対応はTVで例えるとこんな感じ。

「今日からアナログ停波で地デジのみになりました。ブラウン管TVも減ってきて薄型液晶TVが家庭に浸透しています。でも、うちのコンテンツはまだブラウン管TVでの視聴しか保障しませんよ!」

正にナンセンス。地デジ+チューナー+ブラウン管TVをIE6.0、地デジ+チューナー内蔵液晶TVをIE7.0に置き換えると分かりやすいと思います。