PhysX対応GeForceドライバで物理演算を体験してみた

GeForce Experience Pack (Power Pack - www.nvidia.co.jp)

GPU上で物理演算を実行可能にするPhysX対応GeForce Driver 177.83が、NVIDIAからリリースされました。それに伴って、PhysXを体験出来るアプリケーション一式が、Power Packとしてキャンペーンサイトで公開されています。そこで、我がPCのGeForce8800GT 512MBで実際に動かしてみました。ちなみに、PhysX対応GPUはGeForce8800以降から。それ以前のものでは機能しません。

  • Fluids(流体):技術デモ
    鉄砲水のごとく勢いよく水が流れ出します。ソフトウェアエミュレーションだとコマ送りになるほど重い処理が内部で行われています。ソフトウェアエミュレーションとハードウェア支援によるCPU使用率、GPU温度の差は、後者のほうが+14%、+12℃でした。CPU使用率が上昇した要因は、GPGPU支援により計算負荷が軽減され、描画回数が増えたからでしょう。何にせよ温度上昇が顕著ですので、PCケースのエアフローに気をつけましょう。
    Fluids技術デモ
  • SNEAK PEAK(スニーク・ピーク):NURIENデモ
    不気味の谷の住人がファッションショーをする中国製デモ。フリルがひらひら靡くと60フレームだったFPSが30フレームまで落ち込みました。GeForce9600GT以上推奨と明記されているので仕方ありません。
    NURIENデモ
  • SNEAK PEAK(スニーク・ピーク):METAL KNIGHT ZEROデモ
    途中で強制終了してしまうので全て検証出来ませんでした。およそ、40から60FPSの範囲で描画されていました。
    METAL KNIGHT ZEROデモ

他にもデモはありますが、FPSがどれくらいか把握できませんので割愛します。

まだ、GPGPUは統一規格がないため、今回のPhysXハードウェアアクセラレーションをRADEONで実行することは出来ません。GeForceだけの機能です。ですが、近いうちにGPGPU統一APIが策定されると信じています。これが実現すればフレキシブルに演算の負荷を分散できるのではないでしょうか。例えば、CPUに負荷がかかったときはGPUで演算、逆にGPUが悲鳴を上げているときはCPUで演算、というように。この流れで行けば、もっと先の未来では、ハードウェア的にCPUとGPUの区別が無くなるかもしれません。