Irrlicht1.5の変更点抜粋、VC6のサポート終了

オープンソースの3DエンジンIrrlichtのバージョン1.5公開に向けて、svnリポジトリにブランチが切られました。更にIrrlicht 1.5 betaとして現在までの成果物がパッケージされました。Irrlicht 1.5正式版は近日公開予定だそうです。

Irrlicht 1.5.beta Download available (sourceforge.net)

今回も多くのアップデートがなされています。目についたものを少し紹介します。

CreateDeviceのパラメータにbool SIrrlichtCreationParameters::IgnoreInput = false;を追加。独自にキー入力を制御したいときに使用。現在はX11環境のみ。Windows環境でも実装されれば、日本語入力のサポート手段として選択肢が広がりそうです。

更にIrrlichtで生成されるメインウィンドウも柔軟性が増しました。Windows環境においてユーザが自由にサイズ変更出来るようになります。関数ひとつで可否を設定可能。サイズ変更可能なときは、最小化ボタンも表示されます。他の作業をするときに最小化出来るようになり嬉しい限りです。

入力面も強化されました。Joystickの入力がサポートされたのです。これでゲームに使用される主な入力デバイス全てが手軽に使えるようになりました。但し、Windows環境下ではWin32 APIであるWindows MultiMedia API(winmm)が採用されているため、DirectInputやXInputよりも負荷が高くレスポンスが悪いかもしれません。

そして、プロジェクトファイル自体にも修正が加わりました。VisualStudioにて_IRR_STATIC_LIB_オプションを使った静的リンクが可能になります。このオプションを使用すれば、実行ファイルを配布する際にIrrlicht.dllを別ファイルとして同梱せずに済みます。

プロジェクトファイル絡みでもうひとつ。VC6のサポートが遂に打ち切られました。これに伴いVC6のプロジェクトファイル(.dsw、.dsp)が取り除かれています。今後は動作検証もされません。Visual Studio 2008のような新しい環境に早めに乗り換えましょう。

以上、Irrlicht 1.5の修正点抜粋でした。