exFATの普及促進、XPの次はLinuxが対応

SDカードの次世代規格SDXCにマイクロソフトのexFATが採用されました。これにより、対応OSが増え一気に普及することになりそうです。

SDXCメモリーカード (Wikipedia)

今までexFATはWindows Vista SP1とWindows CEのみでしか使えませんでした。それが、2009年1月にWindows XPが対応。そして、2009年2月にLinuxが実装テストを開始。これからは、メジャーなファイルフォーマットとして自信を持って使えるようになるでしょう。

exFAT ファイル システム ドライバの更新プログラム パッケージ (Microsoft)

MS以外で初の対応? LinuxでexFAT読み取り用のパッチが公開 (マイコミジャーナル)

このマイクロソフトのファイルシステムの歴史は、SDカードの歴史でもあります。2000年に登場したSDカードはファイルシステムにFAT16を採用し、最大容量2GBの上限がありました。その後、メディアの大容量化に伴い、2006年にFAT32を採用したSDHCカードが登場。最大容量が32GBまで引き上げられました。しかし、2008年に僅か2年で上限に達してしまったのです。そのため、2TBの拡張を目指しexFATを採用したSDXCカードが登場することとなりました。

また、SDカードの容量にはマイクロソフトの戦略による影響もあります。本来、FAT32は2TBまで認識させることが可能ですが、Windows 2000以降のOSでは32GBまでしかフォーマット出来ません。この意図的な制限は、32GB以上のHDDにWindows NT系のファイルフォーマットNTFSを使って欲しいため。SDHCカードはFAT32を採用したがために、この制約を受けることになってしまいました。

更にPCのハード的な影響もSDカードの容量に関係してきます。今回SDXCカードに採用したexFATは理論上最大16EBまで使えます。FAT32のような1ファイル4GBの壁もないため、末永く使えるフォーマットのはず。それなのに何故2TBまでと制限しているのか。それは、現行PCの多くがHDDの管理にBIOSMBRを採用しており、2TBまでしか扱えないからです。2008年半ばから出荷されているEFI採用マザーボードとGPTの組み合わせが浸透すれば、この制限は撤廃されるかもしれません。OSにWindows Vista SP1  x64以降が必要であるため、XPユーザ、32bit OSユーザには無縁の話ですけどね。