2005年初映画にターミナルを観てきました。祖国をクーデターで失った男が、情勢が安定するまで空港暮らしを余儀なくされる、ありそうでなさそうなお話。
トム・ハンクス演じる主人公は、言葉が通じないまでも逞しく日々を暮らし周囲の人々と打ち解けていく。しっとりと心に染みる内容に加え、コミカルで笑いが絶えない良い映画でした。
言葉の通じない(意思疎通の難しい)旅行者は、現地民から見ると何とも奇妙に映ってしまうようです。本人は生きるために大真面目なのに何か滑稽。明るく、それでいて切ない、不思議な人間模様も見所です。
しかし、この作品の中で唯一浮いた存在がいます。ネタバレを避けるため明言しませんが、主人公といい雰囲気だったひとです。思わせぶりな態度だったのにヒドイヤツです。揺ぎ無い信念を持った主人公と対比させる為に、周りに流される心の弱い人物にしたのでしょうか。見ていて一番ガッカリする部分であるだけに、もう少し何とかして欲しかったです。もっとも、トム・ハンクス出演作品は、何れもお安いハッピーエンドにならない事が分かっていれば、ある程度は予見出来るかもしれません。
ちなみに、この映画、モデルとなった実話もあります。参考までにどうぞ。
16年間、空港で暮らす男がついに搭乗ゲートへ - 視察番外編(x51.org)