2009年7月22日、日本各地で「部分日食」、及び「皆既日食」が観察出来ます。時間は9時30分から12時30分までの最大3時間。比較的ゆっくりとした速度で太陽が月によって隠されていきます。大半の地域は部分日食となり、太陽が月に隠れる割合を示す食分は東京で最大0.749、つまり、74.9%が隠れます。その他、札幌 0.506、京都 0.809、那覇 0.917と、南に行くほど隠れる面積が大きくなります。
そして、今回最も注目されているのが、九州と沖縄の中間にある島々、奄美大島、トカラ列島、屋久島、種子島です。これらの島では、太陽が完全に月の影に隠れる「皆既日食」が拝めます。日本国内で皆既日食が観測されるのは、1963年7月21日の北海道以来46年ぶり。次回の観測は26年後の2035年9月2日と言うことですので、一生に一度あるかないかの一大イベントだとお分かり頂けるでしょう。そのため、既に奄美大島皆既日食ツアー等も各旅行会社で組まれているようです。もし、皆既日食をこの目で見たいと言う人がいたら、早めに旅行の予約をしておいたほうがいいかもしれません。
さて、この一大イベントのメインは、やはり太陽観察です。刻一刻と侵食される太陽の変化を楽しむのに資格など必要ありません。空を望む事が出来れば誰しもが可能です。但し、それ故に注意せねばならないことが沢山あります。
ここに日食観測注意事項3ヶ条を記します。
- 肉眼で直に太陽を見てはいけない
- 望遠鏡や双眼鏡を使って太陽を見てはいけない
- 下敷きやCD越し、もしくはサングラスやゴーグルをかけて太陽を見てはいけない
どれもこれもNGです。肉眼や望遠鏡越しに見るのは以ての外として、直射日光を見る事を前提としていないサングラスや下敷き類も、遮光能力が不十分な場合が多いため危ないです。日差しの強い日は特に危険。目を傷めてしまうばかりか、最悪の場合は失明してしまいます。
そこで、観測専用の日食グラスを使いましょう。お値段は1500円程度。今回の日食は速度が遅いので、仲良く交代で見ることを前提にすれば、一家に1~2つあれば十分でしょう。小中学生のお子さんがおられる家庭では、もしかしたら既に理科の学校教材として日食グラスが配られているかもしれません。当日焦らない様に、今のうちに確認しておきましょう。
今年はガリレオが望遠鏡を天に向けてから400年となる世界天文年です。お財布にやさしい今夏最大の天体ショーをぜひお楽しみ下さい。