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Autodesk買収劇、Mayaの次はSoftimageか!

2008年10月23日、Autodesk社はAvid Technology社のSoftimage事業部を3500万ドル(32.6億円)で買収すると発表しました。

Autodesk Signs Agreement with Avid Technology to Acquire Softimage (Autodesk via blendernation)

Autodesk, Inc. (NASDAQ: ADSK) and Avid Technology, Inc. (NASDAQ: AVID), announced that they have signed a definitive agreement for Autodesk to acquire substantially all of the assets of Avid’s Softimage business unit for approximately $35 million.

3年前の2005年10月、Autodesk社はMayaを扱っていた3Dソフト大手Alias社を1億8200万ドルで買収したばかり。今回のSoftimage買収が成立すると、3大老舗3Dソフトである3ds MAX、Maya、Softimageの全てがAutodesk社傘下に治められることになります。

これは由々しき事態だと私は思っています。ここまで独占が進んでしまうと競争力が落ち、3Dソフトの発展が鈍ってしまう恐れが出てきます。また、開発陣の再編や流出により開発能力もガクッと低下し、ソフトウェアの品質が悪くなることだってあります。これは、Adobe社のMacromedia社買収後を見れば納得できるでしょう。現在は改善されつつありますが、Flash Player9以降、不具合が頻発し目も当てられない状態でした。Softimageも同じような道を辿りそうな気がしてなりません。

そもそも、Autodesk社は自ら3ds MAXという3Dソフトを開発していました。それにも関わらずMayaやSoftimageと言った類以製品を集め出したのです。ユーザ層の被る3種類もの3Dソフトが、同じ会社から発売されていたら、購入する側は相違点に気づけず戸惑ってしまうのではないでしょうか?

この一連の買収劇で、将来もこれら3Dソフトが安定して供給されるか不安に思っているユーザもいるようです。価格もビッグゆえ次期アップデート版の購入を控える人達もいるでしょう。今こそ、オープンソースのBlenderが勢力を伸ばす好機かもしれませんね。

Blender2.48はリアルタイムレンダリングがすごい!

2008年10月14日、3D統合環境のBlender 2.48が公開されました。

Blender 2.48 (Blender.org)

今回のアップデートでは、GLSLによるリアルタイムレンダリングに対応し、編集画面でのモデル確認が楽になりました。この機能が有効になるグラフィックカードは、ATI Radeon 9x00、Xシリーズ、HDシリーズ、NVidia Geforce FX、6x00、7x00、8x00、9x00、GTX 2x0、最近のIntelとSiSのオンボードです。5年以内に買い換えたPCなら、この機能が使えると思われます。

上記のデモ映像に使われたファイルは公式からbathroom_final_1.2.zipとしてダウンロード可能です。デモ映像と同じことをするには、ダウンロードしたblendファイルをBlender 2.48で開き、Pキーを押してGameモードにしてください。Gameモードでは、次のキーが使えます。

  • 移動:W、A、S、D
  • カメラ回転:マウス移動
  • アヒル軍曹投入:マウス左クリック
  • 風:スペース
  • 横長画面:3
  • Gameモード終了:ESC

その他の変更点は、Release Logsを参照してください。

また、このアップデートからは、64bit版Windows用の実行ファイルも用意されています。潤沢にメモリを使いたい人は試してみるといいでしょう。ただし、32bit版Pythonが認識されませんので、別途64bit版Pythonをインストールしてください。Yafrayのような外部レンダラーも同様に64bit版が必要です。Pythonは公式で64bit版を配布していますが、外部レンダラーのほうは32bit版しかありません。面倒ですが、自分でソースコードをコンパイルして使えるようしましょう。

NiVEに3Dモデル表示プラグインが登場!PluginAx.Irrlicht

動画加工ソフトNico Visual Effects(NiVE)に、3Dモデル表示プラグインPluginAx.Irrlichtが登場しました。

NiVEでのPluginAx.Irrlicht使用例 (ニコニコ動画より抜粋)

製作はAviutilのプラグインも公開されているgekkaoさん。2008年8月8日現在、PluginAx.Irrlicht ver.1.0.1.0 (α)をダウンロードすることが出来ます。

NiVE用Irrlichtエフェクト (Gekkao)

ニコニコ動画の紹介映像を見る限りでは、内部動作に直結する設定項目が豊富に用意されているようです。そのため、プラグインの根幹を成す3DエンジンIrrlichtの動作を少しでも理解していないと、扱うのは難しいかもしれません。言い換えると、Irrlichtを触ったことのあるプログラマーなら、Blenderのような3D専用ソフトよりも、このプラグインのほうが使いやすいのではないでしょうか。

この夏、NiVEユーザはIrrlichtでゲームを、IrrlichtユーザはNiVEで動画を製作をされてみては如何ですか?

3D統合環境TrueSpace7.6がフリーソフトとしてリリース

2008年7月23日、フリーソフトとして最新版TrueSpace7.6がリリースされました。アカウントを登録するだけで、プログラム、マニュアル、豊富なトレーニングビデオを自由にダウンロードして使用することが出来ます。

TrueSpace7.6で作成されたCG

TrueSpaceはCaligari社の3D統合環境でVersion7.5は595ドルでした。2006年4月には日本の代理店が取り扱い停止をしてしまいましたが、価格の割りに高機能なことから海外で根強い人気があります。2007年には旧版を期間限定で無償配布しています。今回はその最新版を提供するという大胆な行動に出ました。

TrueSpace7.6 (Caligari社)

Captain's Blog (Caligari社CEOのブログ)

では、登録からダウンロードまでの流れを見てみましょう。

trueSpace Download / Registration (Caligari社)

Caligari社のアカウントがある人は、ログインすれば即ダウンロード出来ます。未登録であれば右のSign Up Nowボタンを押し登録手続きを進めてください。

Caligari社ログインフォーム

フリーソフトですが、無料なだけで製品には変わりありません。必要事項は全て登録してください。個人情報の流出が気になる人は諦めたほうがいいかもしれません。赤いアスタリスクが必須項目です。上から順に、アカウント名、パスワード、パスワード再入力、公開用ニックネーム、名前、苗字、市町村名を除いた住所、市町村名、県名、郵便番号、国名、E-mailアドレス、電話番号です。全て入力したら一番下のContinueボタンを押しましょう。

Caligari社アカウント登録フォーム

以上で登録手続きは完了しました。表示されたページから、TrueSpace7.6、マニュアル、チュートリアルビデオをダウンロードしてください。

TrueSpace7.6ダウンロードページ

さて、今回のフリーソフト化、もとい無償配布は販売戦略によるものです。というのも、Caligari社は2008年2月にMicrosoftに買収され、Virtual Earthと連携するアプリケーションになりました。これは商売敵のGoogle EarthとSketchupに対抗するためです。Virtual Earth, An Evangelist's Blogでも、その意気込みが感じられます。今後、有償のプラグインや、トレーニングチュートリアルも販売される予定なので、本体のみで物足りなくなったら購入を考えてもいいかもしれません。何にせよ、高機能な3Dソフトを制限なく使えるのは有難いですね。

今や、普及価格帯のPCでさえ3D表示機能が標準で備わっている時代。ホビー用に低価格3Dソフトを販売する会社が増えてきました。それらは、機能やインターフェースも一昔前より遥かに洗練されています。そのため、セミプロ御用達であったTrueSpaceのような、4万~9万円台のソフトが淘汰されるのは必然かもしれません。3Dソフトが生き残る道は、提携も含めた低価格路線か、作業効率を求めるプロ向けの高価格製品、この2極だけになりつつあるようです。

Blender使用のムービー、Big Buck Bunny公開される

オープンソースの3DソフトBlenderで製作されたムービーBig Buck Bunnyが、去る5月30日に一般公開されました。オンラインで視聴できます。公式サイトにはハイビジョン画質のファイルも用意されており、クリエイティブコモンズのライセンスを条件に、誰でもダウンロード可能です。

Big Buck Bunny (公式)

この映像で表現されていることは全てBlenderで可能なこと。慣れないユーザインターフェースに挫折する人も多いですが、これをお手本に再び触ってみてはいかがでしょうか?幸いにもBig Buck Bunnyの素材ファイルが全て配布されております。各シーンを解剖して、その技術を吸収しましょう。

素材ファイルはこちらから:Big Buck Bunny Production Files (cloud.blender.org)