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Blender使用のムービー、Big Buck Bunny公開される

オープンソースの3DソフトBlenderで製作されたムービーBig Buck Bunnyが、去る5月30日に一般公開されました。オンラインで視聴できます。公式サイトにはハイビジョン画質のファイルも用意されており、クリエイティブコモンズのライセンスを条件に、誰でもダウンロード可能です。

Big Buck Bunny (公式)

この映像で表現されていることは全てBlenderで可能なこと。慣れないユーザインターフェースに挫折する人も多いですが、これをお手本に再び触ってみてはいかがでしょうか?幸いにもBig Buck Bunnyの素材ファイルが全て配布されております。各シーンを解剖して、その技術を吸収しましょう。

素材ファイルはこちらから:Big Buck Bunny Production Files (cloud.blender.org)

Blender2.46にはクロースシミュレーションが実装!?

Short Cloth Demo (BlenderNation.com)

Blender2.46 RC1のクロースシミュレーションのショートデモが、BlenderNaationの記事に挙がっていました。

滑らかな動きに息を呑みます。公式版リリースまで、まだ期間はありますが、期待が膨らみますね。レンダリング速度がどれくらいなのか気になります。

IE7.0への更新は選択制、しかし対応は必須!

2008年2月よりWindows XPのIEが7.0へ自動更新されることになっていました。

2008年2月13日より自動更新機能による Windows(R) Internet Explorer(R) 7 の配布開始 (Miscrosoft)

しかし、現実はIE7.0に必ずしもアップデートする必要はなく、IE6.0で運用を続ける人も出てくるようです。 IE6.0は2009年までサポートが続けられ、セキュリティ更新も2014年まで維持される模様。IE7.0に強制アップデートされると思っていた私には残念なお知らせでした。

強制アップデートになると古いシステムで弊害が出る可能性があるのは承知しています。Microsoftもそれを考慮して選択肢を残したのでしょう。ですが、IE7.0は日本だけ移行期間を1年も延長していました。閉鎖的な企業内システムでもない限り、一般へ開放されたアクティブサイトは、この猶予期間でIE7.0に対応する責任があったと思います。現実には残念なことに未だIE6.0しか動作保障していないサイトが多いです。

では、なぜIE7.0に対応させる必要があるのでしょうか。 2つの理由があります。

1つはユーザ視点から見たメリット。時代に即した最新の技術が使われており、フィッシングサイトやウィルスの脅威からユーザを守ってくれる確率が大幅に高くなります。また、タブ機能のような新スタイルにより、旧バージョンより使いやすくなっています。PCのスペックが低くて処理がきついと言う人以外は、大半が更新するのではないでしょうか。

もう1つはブラウザ互換性に対する改善。IE6.0の時よりも、遥かにW3C標準に近づいています。これの意味するところは明快で、コスト削減に繋がっていくのです。W3C標準のXHTMLやCSSで記述をしておけば、今後出てくるであろう新ブラウザでも、修正する必要なく望んだレイアウトに近い形でページを閲覧できます。もちろん、これは理想であり、現状はIE6.0に対応したページのレイアウトが、IE7.0で崩れるといった現象も見られます。ただし、これはIE6.0がW3C標準とは大幅にかけ離れていたための不具合。今後は最新のIEに対応させていけば、開発者の負担が減り、牽いてはコスト削減に貢献することになるでしょう。

さて、IE7.0に強制アップデートされなくなって喜んでいるサービス提供者は、2008年2月現在のブラウザトレンドをご覧下さい。

Browser Version Market Share for February, 2008 (NET APPLICATIONS)

Browser Version Market Share for February, 2008

IE7.0は44%、IE6.0は31%。実に13%もIE7.0のほうが上回っています。今や市場シェアNo.1 はIE7.0なのです。まだ未対応であれば早急に対応したほうがいいでしょう。ユーザ離れを起こしたくないのであれば。

今の後手後手の企業対応はTVで例えるとこんな感じ。

「今日からアナログ停波で地デジのみになりました。ブラウン管TVも減ってきて薄型液晶TVが家庭に浸透しています。でも、うちのコンテンツはまだブラウン管TVでの視聴しか保障しませんよ!」

正にナンセンス。地デジ+チューナー+ブラウン管TVをIE6.0、地デジ+チューナー内蔵液晶TVをIE7.0に置き換えると分かりやすいと思います。

Linuxに統合環境Code::Blocksをインストールする方法

開発統合環境(IDE)の一つであるCode::Blocks(i386版)Ubuntu7.10 gutsy ja版にインストールする方法を紹介します。英語版も同様の手順。Code::BlocksはwxWidgetsをGUIライブラリに使うC/C++コンパイラで、nightly buildからはD言語等に対応しました。Visual Studioのような使用感の統合環境です。

※上から順を追ってコマンドを入力して行って下さい。スクロールバーに隠れてコマンドが読めない場合は、ブラウザの横幅を可能な限り広げてみて下さい。

始めに開発用パッケージ一式(g++)をインストールします。

$ > sudo apt-get install build-essential

デバッガをインストールします。

$ > sudo apt-get install gdb

wxWidgetsの最新版をインストールします。元からあるUbuntuリポジトリのものは古いのでwxWidgets公式のリポジトリから取得します。もし、Ubuntu側のパッケーを既にインストールしているのならば、不具合が起きないように念のため削除しておくといいでしょう。

wxWidgets公式リポジトリを追加します。[システム]-[システム管理]-[ソフトウェア・ソース]-[サードパーティのソフトウェア]に以下のURLを入力してください。distnameはお使いのバージョンに合わせて置き換えてください。

deb http://apt.wxwidgets.org/ distname main
>>distname = gutsy-wx, feisty-wx, edgy-wx

タブ[認証]にwxWidgets公式パッケージの公開暗号鍵を登録します。

$ > wget -q http://apt.wxwidgets.org/key.asc -O- | sudo apt-key add -

wxWidgetsをインストールします。バージョン番号はCode::Blocksに合わせ最新のもの置換してください。

$ > sudo apt-get install libwxgtk2.8-0 libwxgtk2.8-dev wx2.8-headers wx-common

ここからメインのCode::Blocksのインストールです。現在、公式サイトからは安定版が配信されていません。nightly buildも長らくWindows用バイナリしか公開されていないようです。そこで、pasgui氏が用意してくれた公開リポジトリからLinux(i386)版をインストールしましょう。

pasgui氏のサイトLGPをリポジトリに登録します。wxWidgetsの登録方法と同様に以下のURLを追加してください。

deb http://lgp203.free.fr/ubuntu/ distname universe
>>distname = gutsy,feisty,edgy

必要ならソースコードのリポジトリも追加。

deb-src http://lgp203.free.fr/ubuntu/ distname universe
>>distname = gutsy,feisty,edgy

LGPの公開暗号鍵を登録します。

$ > wget -q http://lgp203.free.fr/public.key -O- | sudo apt-key add -

ソフトウェア・ソース リポジトリ一覧

Code::Blocksパッケージ一式をインストールします。

$ > sudo apt-get install libcodeblocks0 codeblocks libwxsmithlib0 codeblocks-contrib

以上でCode::Blocksのインストールが完了しました。[アプリケーション]-[プログラミング]-[Code::Blocks IDE]から起動できます。初回にインストール済みコンパイラを自動検出して設定してくれますので、表示されたウィンドウのOKボタンを押して作業を再開してください。

Code::Blocks nightly build on Ubuntu(i386)

それにしても煩雑な作業でした。Ubuntu公式リポジトリに登録されて、もっと楽にインストール出来るようにして欲しいです。2008年11月03日追記:Ubuntu 8.10以降はパッケージマネージャから公式版をインストール出来るようになりました。nightly buildでなくても構わないなら使ってみてはいかがでしょうか。

ちなみに、この他のIDEにKDevelopというのも存在します。こちらはパッケージマネージャに登録されていますので簡単にインストール可能です。

参考文献:How to download binaries (LGP) / Ubuntu packages of Code::blocks nightly builds (LGP) / Installing Code::Blocks nightly build on Ubuntu (Code::Blocks)

Irrlicht、素粒子物理学の世界で活躍

Irrlicht, irrKlang and Particle Physics (Irrlicht3d.org Blog)

Amelia(ATLAS Multimedia Educational Lab for Interactive Analysis)は、世界最大の素粒子物理学研究所CERNの、ATLAS探知機(A Toroidal LHC ApparatuS)を売りにした高エネルギー物理学のためのプロジェクトです。アプリケーションはこのような感じです:

Amelia(ATLAS Multimedia Educational Lab for Interactive Analysis)

IrrlichtエンジンirrKlangを使い、AMELIAは3Dインターフェース上でイベント解析とシミュレーション映像(訳注:contextual mediaだけど意味不明)を統合します。オープンソースであり、個人的にはかなり印象深いIrrlicht製の非ゲームプロジェクトです。(恐らく、私が物理学に詳しくないから、そう思うのでしょう)

翻訳 - 屋森英樹

とうとう、物理学の世界にまでIrrlichtが浸透してしまいました。スクリーンショットは粒子加速器の内部をシミュレートしたもののようですね。動いている映像をぜひ見たいものです。

これまでどのようなプロジェクトに使用されたのか分からず、Irrlichtの使用を躊躇っていた人は多いかと思います。このような紹介記事はエンジンの能力を知る上で貴重な情報になるのではないでしょうか。ゲームだけに留まらず、ユーティリティ類も存分に紹介してくれることを期待します。

2007年08月29日追記

主任開発者のQuantum_Leapが直々に動画をアップしたようです。興味がある方はご覧下さい。

AMELIAビデオ[192MB]