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HotmailをメールソフトでPOP3受信する手順

2009年01月14日、Windows Live team blogにてHotmailがPOP3受信・SMTP送信に対応していたことが発表されました。一般的なメールソフトでの設定値は次のとおり。

A new way to get Hotmail on your phone (Windows Live team blog)

POP server: pop3.live.com (Port 995)
POP SSL required? Yes
User name: Your Windows Live ID, for example yourname@hotmail.com
Password: The password you usually use to sign in to Hotmail or Windows Live
SMTP server: smtp.live.com (Port 25)
Authentication required? Yes (this matches your POP username and password)
TLS/SSL required? Yes

また、この対応により、ThunderbirdでのHotmail送受信にWebmailアドオンが必要がなくなりました。もう、Hotmailサイトのアップデートの度に悩まされていた接続エラーの心配もありません。以下はThunderbirdの既存Hotmailアカウントを修正するときの手順です。

まず、[メニュー]-[ツール]-[アカウント設定...]をクリックし、修正したいhotmailアカウントの[サーバ設定]を開きます。

POP3サーバ設定画面、修正前

[サーバ名]をlocalhostからpop3.live.com、[ポート]を110から995、[保護された接続(SSL, TLS)を使用する]を、使用しないからSSLを使用するに変更。

POP3サーバ設定画面、修正後

次に[送信(SMTP)サーバ]を開き、修正したいhotmailアカウントをダブルクリック。

SMTPサーバ設定画面、修正前

[サーバ名]をlocalhostからsmtp.live.com、[保護された接続を使用する]を、いいえからTLS(利用可能な場合)に変更。

SMTPサーバ設定画面、修正後

以上で修正は終わりです。送受信が正常に行えるか確認して下さい。

最後に注意点をひとつ。このPOP3受信、便利になった反面、制約もあります。何と15分間隔でしか受信チェックが行えないのです。更新間隔を調整しておかないと、次のようなエラーダイアログが表示されます。

15分以内に再受信するとエラー

この制約はWebmailアドオンで回避出来ます。送信はSMTP、受信はアドオンで行ってもいいかもしれません。

JavaとIrrlichtを使って3Dアプリをウェブ配信するためのチュートリアル

Bright Hubと言う総合チュートリアルサイトで、JavaとIrrlichtを使用した3Dアプリケーションのウェブ配信方法が公開されました。

3D on the web with Java and Irrlicht - Getting Started (Bright Hub)

JavaとIrrlichtを使用した3Dアプリケーション

著者はMatthew Casperson氏。IrrlichtのJavaバインディングであるJirrでのプログラミングと、完成したアプリケーションをJavaのオンライン配信システムWebStartを使って公開する方法を詳細に解説しています。どのように配信されるか以下のページからデモを実行してみて下さい。

Jirr -Irrlicht Game Development Tutorials (sourceforge.net)

Java WebStartを使った3Dアプリケーションの配信

Java WebStartは、ダウンロードから実行まで、ほぼ自動で行われるため、ユーザの負担も軽く便利な配信方法です。ブラウザ上で実行出来るJava Applet程の手軽さはありませんが、知っておいて損はないでしょう。

MODxのReflectにRFIの脆弱性が見つかりました

MODx CMS "reflect_base" File Inclusion Vulnerability (Secunia)

MODx 0.9.2と、それ以前の全バージョンに同梱されているスニペットReflectにRFI(Request for Information)の脆弱性が発見されました。この脆弱性を衝かれると、ファイルのアップロードや悪意のあるスクリプトの実行を許してしまうことになります。1秒でも早く対応してください。対応方法は次のとおり。

0.9.6.2 security problem with reflect snippets (MODx Forum)

問題になるファイルは"snippet.reflect.php"。このファイルの名前を"a.txt"のような実行できない形式に変更するか、サーバ上から削除してください。Reflectを使用している場合でも、"snippet.reflect.php"を削除してかまいません。スニペット本体は既にDB内に書き込まれており、運用上無くても問題ないからです。このファイルは運用者のソース参照用のためだけに存在しているます。ですから、本来はサーバ上にアップしておくこと自体が望ましくないと言えます。

このセキュリティアナウンスが勧告された即日から、滅多に人が来ないサイトでさえ、1日に2000件近くもReflectへの不正アタックが続いています。クラッカーである彼、もしくは彼らは、BOTネットを駆使して多数のIPから攻撃を仕掛けてきました。これではIPベースのアクセス制御は無意味に等しいです。幸い、日頃からセキュリティポリシーを厳し目に設定してたおかげで、このアタックの大半は実質的な被害もなく未然に防げました。しかし、今回が幸運だっただけで、いつ破られるとも知れません。皆さんも、これを機にサーバのセキュリティを今一度見直してみてはいかがでしょうか。

Lively終了のお知らせ - 3Dバーチャルコミュニティは流行らないのか?

Lively no more (Official Google Blog via 4Gamers.net)

Googleの3DバーチャルコミュニティLivelyが2008年12月31日で終了するそうです。開発スタッフは、今後、検索エンジンや広告事業といった基幹業務へ回されるとのこと。Second Lifeに代表される3D空間を利用したコミュニティシステムは、今やPS3のような家庭用ゲーム機のサービスにも広まろうとしている将来性のあるものです。それにも拘らずGoogleが見切りをつけたのは、果たして如何なる理由からでしょうか?

私が思うに、これらの3Dバーチャルコミュニティは、現在の一般PCにとっては推奨スペックが高すぎるため、時期尚早なのでしょう。第一に、多くの一般的なPCユーザは3D機能が非力なPCを現役で使っています。手持ちのPCでLivelyを楽しもうとしても、スペック不足で門前払い。これでは、如何に魅力があろうとも流行るはずがありません。

そのため、一般層がPCを買い替え、ストレスなく3Dバーチャルコミュニティを楽しむようになるには、最低でも後3年はかかると睨んでいます。今から3年後の2011年は、2010年リリース予定のWindows 7が登場してから1年後にあたる年。Windows 7は、Vista同様デスクトップ表示に3D機能を使用するため、ビジネス用途のPCでもハードウェア要求が高くなっています。設計の古い現在のWindows XP搭載PCに、Windows 7をインストールすることは最早不可能に近いです。必然的に買い替えが活性化するはず。この頃には、一般層が意識しなくても、適当なPCを買いさえすれば、3D機能が標準的でついてくる時代になっているでしょう。また、昨今のECOブームにより、「買い替え=省電力で効率アップ=お買い得」という方程式が浸透し始めています。Windows XPの延長サポートが失効する2014年を待たずに、電気代のお得な3D機能搭載PCに移行完了するのではないでしょうか。(ハードメーカーに踊らされている気がしないでもないですけどね)

3Dバーチャルコミュニティ普及の鍵は、PCの低価格化とハードの進化に全てが懸かっています。

APNGが普及しない2つの理由、2つの望み

Firefox3とOpera9.5以降では、APNGと言うアニメーション画像形式が表示可能です。これはGIF代替を目標にMozilla Foundationが独自に策定したフォーマットでPNGをベースにしています。しかし、いまいち普及に弾みがつきません。その尤もたる理由を2つ述べたいと思います。

APNGが考案された経緯はGIFのライセンス問題に端を発します。かつて、GIF画像の作成に採用されているLZWアルゴリズムの権利保有元が、突然、特許料の徴収を強化し始めました。既にブラウザの標準的画像形式であり、自由に使えていたGIFに降りかかった予想外の事件。この自由を奪う行為に反発した多くの人々が立ち上がり、代替フォーマットを考案したのでした。それが静止画像形式PNGと、アニメーション画像形式MNGです。PNGが一定の成功を収めた一方、残念なことに、MNGは策定の遅れと難解な仕様のため次第に忘れ去られていきました。このMNGの反省点から、再度GIF代替アニメーション形式として発表されたのがAPNGです。しかし、時既に遅し。LZWの特許期間が満了し、GIFを昔のように自由に使える現在、APNGの出る幕はありません。全てのブラウザで表示できないAPNGを誰が使うのでしょうか。

第2に、この新しい画像形式に対応させるために開発リソースを割く価値が薄いこと。APNGは野心的にもフルカラーアニメーションをサポートしていますが、可逆圧縮であるが故にPNGと同様の欠点があります。それは、ファイルサイズが大きくなってしまう、と言うことです。ブロードバンド時代とは言え、無意味に大きなファイルは転送に時間がかかり、閲覧者とサーバ双方のストレスの原因になります。結局、256色以下に減色した画像を使うのが最良の選択。そうなると、わざわざAPNGを使わずともGIFで事足りてしまうのです。しかも、FlashやJavascript全盛の昨今、ブラウザでのアニメーション画像の活用範囲は、非常に限定的ものとなってしまいました。そのような状況で積極的にAPNGをサポートするブラウザが増えるのか、甚だ疑問です。

ですが、普及の望みがない訳でもありません。ブラウザシェア70%のIEがAPNGに対応すれば、一気に普及の道が開けるかもしれません。近頃は他のブラウザにじわじわとシェアを奪われていますが、まだまだ、その存在感は大きいです。IEの動向は要注目です。

また、APNGはGIFと同様、シンプルなフォーマットです。libpngに読み書き用のAPIが実装済みと言うことなので、ブラウザ以外の用途で道が拓ける可能性もあります。ブラウザでの利用に拘らず、ゲームのリソースとして使ってみてもいいかもしれません。興味のある開発者は挑戦してみては如何でしょうか。

以上、MNGアニメーション編集ソフトを開発したことのある筆者の見解でした。