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Unicode時代のエディタ選び

ネット接続が当たり前になり、他国の言語を表示する機会も多くなってきました。オープンソースプロジェクトにも、テキストに英語以外が記述されていることがあります。しかし、私が長年愛用しているエディタTerapadで開くと文字化けすることがあり、それに気づかず編集保存してしまうと化けた部分の文章が壊されてしまいました。TerapadはUnicodeの文章も読み込めますが、日本語の編集のみを想定しており、内部的にはSJISとして扱っているからです。

そこで、他国語の文章を編集しても内容を壊すことのないエディタを検討してみることにしました。紹介するエディタは次の条件に多く当てはまるものを選んでいます。

  1. 文章を内部でUnicodeとして保持
  2. 検索に正規表現を使用可能
  3. フォルダ検索が可能
  4. 差分表示機能(diff)
  5. スクロール同期可能な2ペインウィンドウ
  6. タブ型エディタ
  7. 文字色の変更が簡単に可能

真魚

真魚でヒンディー語を表示したところ

  1. 馴染みの薄い言語は表示されないこともあるが再編集しても文章を壊すことは無い
  2. 検索ウィンドウにて、「Perl風検索」にチェックを入れれば可能
  3. テキストファイル検索で可能
  4. 無し
  5. 以前はあったようだが現在は無し
  6. タブ完備
  7. ボタン1つで目に優しい「ネガポジ反転表示」が可能

全ての文字を表示させられる訳ではないですが、素直な操作感のエディタ。使っていて安心できる安定度の高さです。2ペインウィンドウに出来ないのが残念なところ。

Notepad++

  1. Unicodeで扱える文字は殆ど表示可能。表示が乱れることもあるが文章を壊すことは無い
  2. 検索ウィンドウで正規表現を選択可能
  3. 検索ウィンドウのタブから可能
  4. Compareプラグインで可能
  5. タブをドラッグすることにより2ペイン表示、縦と横のスクロールを個別に同期可能
  6. タブ完備
  7. 公開されているスタイルテンプレートを差し替えれば楽だが、細かい設定は調整したほうがいい

殆どの言語を表示させられる多機能エディタ。差分表示も出来てプログラムを書くには最適です。日本語の表示が乱れたり、キャレットの動きが怪しくなったりと、動作が不安定なのが惜しい。EUC-JP対応版もあります。

両者とも甲乙つけがたく今後も注目のエディタです。

Thunderbirdのアップデートに失敗したときの対処法

オープンソースのメールソフトThunderbird。先日、久々にアップデートされたのですが、ソフトウェアの更新に失敗してしまいました。何度リトライしてみても上手くいきませんでした。今回はそのような状況になったときの対処法を紹介します。

私が遭遇したのは、次のようなエラーでした。

Thunderbirdの更新に失敗

ソフトウェアを正常に更新できませんでした
1つ以上のファイルを更新できませんでした。他のすべてのアプリケーションが終了していること、ファイルの書き込み権限があることを確認の上、Thunderbird を再起動して再度試してください。

しかし、このダイアログだけではどのファイルが更新に失敗したのかわかりません。そこで、エラーの詳細を知るためにlast-update.logと言うテキストファイルを調べてみることにしました。Windows Vistaであれば、次の場所に保存されています。

C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Thunderbird\Mozilla Thunderbird\updates\last-update.log

last-update.logでエラー詳細を調査

どうやら、mozMapi32.dllの更新に失敗している様子。いくつかの文献を漁ったところ、このDLLに関連する障害はMozillaZineに掲載されていました。

Thunderbird 2.0 installation issues (MozillaZine)

If you get a "Error opening file for writing: r\n\r\nmozMapi32.dll\r\n\r\nClick Retry to try again, or\r\nCancel to stop the installation." error message it may be due to a Logitech webcam. If you having Thunderbird set as your default email program in the Quickcam software, Quickcam will not let Mozilla update the file. Disable the webcam (right-click Quickcam icon in system tray and select "Exit") and try again. A drastic alternative would be to rename the mozMAPI.dll file in the Thunderbird program directory. Another approach is to temporarily set Quickcam to use a different email program as default.

つまり、ロジクールのウェブカメラ用ユーティリティであるQcam.exeが起動しているのが原因です。Thunderbirdの更新の際には、一時的にタスクトレイから終了させておきましょう。Qcam.exeを終了させることで、あっさり更新出来ます。

諸悪の根源Qcam.exe無事、Thunderbirdの更新が完了

Qcamにはメール送信機能が備わっているのですが、今回の件で、待機中でも不必要にmozMapi32.dllを掴んでいる行儀の悪いユーティリティだとわかりました。ぜひ、ロジクールには改善してほしいところです。

他のソフト(アンチウィルスソフト等)でも、このようにThunderbirdのファイルを掴んでいるケースがあるかもしれません。もし、アップデートに失敗するようであれば、まずはlast-update.logを参照するところから始めてください。それが問題解決への近道です。

WindowsからGoogle Chromeを完全に削除する方法

シンプルなUIで動作も軽快なブラウザGoogle Chrome。しかし、これをアンインストールした後も、Google Updaterという常駐プログラムが残って活動を続けます。そこでWindowsからGoogle Updaterを削除する安心安全な方法を紹介します。PCに詳しくない方でも手順どおりに行えば大丈夫です。なお、Google Toolbar等を使用中であれば削除しないほうがいいでしょう。以降の説明はWindows Vistaを基準にしています。

スタートアップにも登録されているGoogle Updater

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Logicool製品にマルウェア?PowerRegisterの正体

皆さんのPCにPowerReg.datという身に覚えのないファイルが作成されていないでしょうか?Windows XPであれば次の場所にあると思います。

C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Application Data\Leadertech\PowerRegister\PowerReg.dat

Windows VistaやWindows 7なら、こちらの場所を確認してみて下さい。

C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Leadertech\PowerRegister\PowerReg.dat

これは、LeaderTech社のPowerREGISTERという業務用アプリケーションの一部です。ソフトウェアのセットアップ時に製品登録を促し、顧客データ収集率を高めるというもの。要するにユーザ登録代行システムです。マルウェアでは無い(はず)なのでご安心を。

LeaderTech PowerREGISTER (LeaderTech)

しかし、ユーザの気付かないうちにファイルを書き込み、レジストリにデータを登録することから、世界中のフォーラムで不審物扱いを受けています。インストールされたソフトの動作に不要な存在ですから尚更です。ファイルを丸ごと削除しても問題ありません。また、レジストリの操作に自信がある人は次のエントリーも消してしまうのがいいでしょう。

HKEY_CURRENT_USER\Software\LeaderTech

更に、[スタートボタン]-[スタートアップ]を確認して下さい。"Logicool-製品の登録"と言う項目が追加されていれば、それはPCの再起動毎にユーザ登録を促そうと、Logicoolが仕掛けたPowerRegisterの実行コードです(再登録画面自体は未確認)。

スタートアップに追加されたLogicool-製品の登録

これがスタートアップに登録されている限り、何度でもPowerReg,datとレジストリ項目は蘇って来ます。スタートアップから削除しておくといいでしょう。

このスタートアップショートカットのコマンドを見ると次のように書かれていました。

"C:\Program Files (x86)\Common Files\LogiShrd\eReg\SetPoint\eReg.exe" /remind /language=JPN /_WFM="."

つまり、PowerRegister本体はeRegフォルダ以下に存在します。前述のようにスタートアップから登録解除しておけば、今後起動することはないと思いますが、心配なら本体も削除してしまいましょう。但し、ドライバの実行に悪影響があるかもしれないので、慎重に判断して下さい。

さて、混入経路ですが、私が確認したのは唯1つ。LogicoolのマウスドライバSetPointからでした。LeaderTech社とLogicoolの本社Logitech、両社は紛らわしいほど名前が似ているため、気づかない人が多いかもしれません。残念なことに、2009年8月現在、日本公式サイトからダウンロードしたドライバにもPowerRegisterが採用されてしまいました。ドライバの新規インストール、自動アップデート双方で強制インストールされます。しかも、ドライバをアンインストールしてもスタートアップに登録されたままでした。

LeaderTech社が信用できない。不要ファイルを勝手に作られるのは気持ち悪い。そんな想いを抱いてる方は、この記事を参考にPowerRegisterの削除を実践してみて下さい。

Visual Studio 2008 Express Edition SP1へのアップグレード注意点

Visual Studio 2008 Service Pack 1が2008年8月11日にリリースされました。旧製品をお使いの方はアップグレードを推奨します。Standard Edition以上であれば、SP1単体をダウンロードしインストールすればOKです。

Visual Studio 2008 Service Pack 1 および .NET Framework 3.5 Service Pack 1 (Microsoft)

しかし、Express Editionは、面倒なことに旧製品をアンインストール後、このSP1を再インストールをしなければなりません。そこで、Visual Studio 2008 Express Edition with SP1のアップグレード時に注意するべき点を4つ挙げます。

Visual Studio 2008 Express Edition with SP1 (Microsoft)

  1. アンインストールするもの
    最低限、Microsoft Visual Studio 2008 Express Edition本体。その他、念のためVisual Studioに関連する全てのコンポーネント。例えば、Visual C++であれば、Express Tools for .NET Framework、Express Tools for Win32、Headers and Libraries。また、Express Edition with SP1には.NET Framework 3.5 Service Pack 1も含まれています。.NET Framework 3.5、.NET Framework 3.5 Language Pack - 日本語もアンインストールしておいたほうがいいでしょう。アップデートによってゴミファイルが残ってしまうのを防ぎ、クリーンインストールを目指すためです。
    アンインストールするコンポーネント
  2. SP1にはSQL Server 2008 Express Editionが同梱されている
    旧製品にはなかったSQL Server 2008 Express Editionが同梱されています。SQL Serverに興味が無いのであれば、インストール オプションでチェックを外しておきましょう。また、このチェックを外しても、Microsoft SQL Server 2008 Management Objects、SQL Server System CLR Typesがインストールされてしまいます。インストール完了後に[プログラムのアンインストールまたは変更]から削除してください。
    SQL Server 2008 Express Editionが同梱されている
  3. HDDにテンポラリが残っている場合がある
    HDD内にExpress Edition SP1のインストール用作業ファイルが消されず大量に残ってしまう場合があります。途中でインストールを中止した、若しくはオンラインインストールをした時に特に顕著ですが、それ以外のケースでも起こります。HDDのルート(C:\やE:\)やC:\Users\<ユーザ名>\AppData\Localに、見慣れぬファイル、フォルダが残っていないかチェックしてみてください。インストール前に元から存在するフォルダを予め確認しておくといいでしょう。
  4. 製品の登録
    30日以内に製品の登録が必要です。旧製品の登録キーは使えませんので新たに取得してください。Visual Studio 2008 Express Editionを起動し、[メニュー]-[ヘルプ]-[製品の登録]から手続きが可能です。
    新たに製品の登録が必要

それでは、よきプログラミングライフをお楽しみください。