X-BladesのPC版を遊んでみました。日本風キャラクターが暴れまくるロシア産ゲームがどれ程のものか、このレビューで少しでも伝われば幸いです。
まず、なんと言っても目を惹くのが主人公Ayumiのデザイン。お尻を大胆に露出したコスチュームは、海外の若き青少年の間でも話題の的です。また、面立ちは日本のアニメを研究し尽くしており、とても親しみやすいものになっています。若干、欧米っぽさが残っているように感じるかもしれませんが、海外の人から見れば、このくらいが丁度いい顔つきなのかもしれません。少し昔のPCゲーム"Oni"や"大刀"、最近のTVドラマ"HEROS"に見られる"バタ臭い日本感"が大好きな人種には堪らないゲームです。
ただし、肝心のゲーム内容に過度の期待は禁物です。このゲームは、あくまでもAyumiちゃんのお尻を堪能するために存在するのであり、完成度に難癖をつけるなど愚の骨頂。舐めるようにモニターを見つめていれば、それでいいのです。それ以上のことを口走ればシベリアに飛ばされかねません。あえて、その危険を冒して指摘するとすれば3つ。難易度、スキル、マップに1つずつ残念な部分があります。
まず、難易度。全部で4段階あり、初プレイでは"EASY"、"NORMAL"、"HARD"が選択可能、エンディング後に"PRO"モードが追加されます。しかし、これらの違いは無いも同然です。唯一の違いは、モンスターから受けるダメージ量のみ。ダメージ差は極僅かです。モンスターの数やAI、アイテムの配置には何も影響しません。
次にスキルと魔法。これはオブジェクトを壊したりモンスターを倒したときに手に入るソウルを貯めて、それを支払うことにより使えるようになります。この工程は育成要素ともとれますが、いくつかの要因が台無しにしています。コストとして支払うソウルはストーリーが進むにつれ、有り余るほど手に入ります。最終的にはソウルのインフレが起こり、ゲーム開始時にマップの隅々まで回って集めていたのがバカらしくなる程、あっさり全てのスキルを習得出来てしまいます。しかも、どうがんばっても活躍の場が無い死にスキルが存在したり、属性が違うだけで同じモーションの魔法が複数あったりします。これなら、育成要素を一切廃して、初めから厳選したスキルだけを使えるようにしておいたほうがよかったかもしれません。
そしてマップ。謎解き要素も無く、唯々、モンスターを殲滅していくだけです。1ステージの広さは小さめで、全てのモンスターを倒さないと次に行けません。この繰り返しに次第に飽きてくることでしょう。唯一の救いはカンフル剤として適度な間隔で現れる小ボスとムービー。これらのおかげで何とか最後まで遊べます。ですが、もう少し地形自体を楽しめるような、変化に富んだマップを増やして欲しかったです。
総合するとゲーム的には良い評価は出せません。かと言って全く面白くないわけでもありません。ロシア産で日本のアニメを参考にしたゲームは非常に珍しいですし評価に値します。ここはやっぱり、「キュートなAyumiちゃんのお尻(と乳揺れ)を楽しむゲーム」として、深く考えずに楽しみましょう。果たして、X-Bladesはテトリス以来のヒット作になるのでしょうか。