Hotmail、2009年9月から接続方式をPOP3に限定、WebDAV廃止

Microsoftが運営するウェブメール Windows Live Hotmailは、2009年9月1日より旧接続方式のWebDAVを完全に廃止し、POP3接続に一本化しました。廃止の理由は、メールボックスの要領増加に伴い、WebDAV方式の接続ではパフォーマンスが出せなくなったためです。メーラーを使って送受信をしていた方は、早急に設定を見直しましょう。知らず知らずのうちに、接続が失敗しているかもしれません。

このWebDAV廃止による影響を受けるのは、古いアカウントを使用している場合のみです。ここ最近の新しいアカウントでは、そもそもWebDAV接続が許可されていなかったため、有料アカウントを除いて関係ありません。以下、それぞれのメーラーの設定変更方法を紹介します。

まずは、オープンソースのThunderbird。こちらは、従来、Webmailアドオンを使用する必要がありました。しかし、POP3接続が可能になったことで、アドオン無しで送受信が可能になりました。詳しくはHotmailをメールソフトでPOP3受信する手順をご覧下さい。

次にOutlook Expressの場合。古いソフトのため、サポートフェーズは既にセキュリティアップデートのみです。後継メーラーのWindows Liveメールを使用しましょう。どうしても、Outlook Expressを使い続けたいというのであれば、Thunderbirdと同じ手順で接続設定をPOP3に変更して下さい。Office付属のOutlookも扱いは同じです。

さて、WebDAVからPOP3の変更は、それほど難しくはありません。しかし、遅かれ早かれ、皆さんは大きな問題にぶつかる事でしょう。なんと、POP3では受信トレイのルートしかチェックされないのです。フォルダ分けされたメールも、間違えてジャンクフォルダに放り込まれたメールも、一切受信できません。これでは、メーラーを使用する意味がなく、始めからブラウザでログインしたほうが早いでしょう。

この問題の解決方法は2つあります。

1つは、Windows Liveメールを使用すること。このメーラーだけが、唯一、フォルダ階層を認識してくれます。非公開APIでも使っているのでしょうか?欠点は、Windows Live おすすめパック等、余分なコンポーネントが一緒にインストールされてしまうこと。例えるなら、「宅配ピザを注文したら、イタリアンの三ツ星シェフまでもが厨房車に乗ってやってきた。しかも、食べ終わるまで何もせずに居座られた。」と言うくらい大仰な付属物です。コンパクトな物を好む人には向かないかもしれません。

もう1つは、Hotmailサーバ側でのフォルダ分けを諦め、メーラーに全てを委ねること。サーバ側のフォルダ振り分けを全て解除し、ジャンクメールの自動振り分けも無効にします。手順は次の通り。

hotmailのサイトへログインし、右上のメニューから[オプション]-[その他のオプション]をクリックして設定ページを開きます。ページ内の[迷惑メール]-[迷惑メールの処理と報告]をクリックし、詳細ページへ移動。[迷惑メール処理レベルの選択]を"低"に設定して下さい。

迷惑メール処理レベルの選択

次に[オプション]-[メールのカスタマイズ]-[フォルダへの自動仕分け]をクリック。以前の設定は全て解除して下さい。

フォルダへの自動仕分け

[新しい仕分け条件]ボタンをクリックし、次のルールを定義します。[差出人アドレス][が次の文字列を含む場合][@]、[受信トレイ]に移動。項目を定義したら保存ボタンを押して完了です。

全メールを受信トレイに移動させる仕分け条件の定義

メールには必ず@マークが含まれますから、常にこのルールが適用されます。これで、hotmailサーバ側の迷惑メールフィルターを、完全に無効化できました。後はメーラー側でジャンクメールの制御を行って下さい。

以上で今回の仕様変更に伴う振り分け問題が解決しました。これからも末永くhotmailアドレスを使用していきましょう。いくら新しいサービスが登場しても、変わらないアドレス程貴重なものはありませんから。

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