Steamでの評価代行依頼をクラウドワークスで募集していたインディーゲームデベロッパーS.R.Lが、2016年2月27日夕刻、海外版パブリッシャーであるSekai Projectから契約破棄された。
ステマ依頼と、これまでの活動については、以下をご覧あれ。
同人、インディーゲームにみる闇、Steamステマ依頼が発覚したサークル
WAS海外版の販売元であるSekai Projectは、この騒動を受け一日と待たずに声明を発表。契約破棄に至る。
一部意訳すると次の通り。
法的問題やSRLの契約不履行により、我々は皆さんにプロジェクトのキャンセルをお知らせせねばなりません。皆さまへの約束を果たせるようこれまで尽力してきましたが、最終的には財政面、信頼面で甚大なる被害を被る結果となりました。
まだ物品が届いていない方へは返金を受付いたします。既に生産された分の物理パッケージは寄付者の皆様へ順次発送します。詳細は後程。
色紙については、残念ながらSRLより十分な数が確保できませんでした。こちらについても同様に返金を受け付ける予定です。
Campaign Cancelled (WAS –The Hourglass of Lepidoptera– on KickStarter)
と、言うわけで、どうやら、今回のステマ騒動だけが契約破棄の原因ではない様子。以前から、金銭問題、寄付者への物品提供遅延が発生していたようだ。
なお、Steamで現在扱っているWAS英語版も近日中にSekai Projectが削除依頼をするとのこと。既にSteamの製品ページから、パブリッシャーの名前が消え、Sekai Project公式ページからも削除された。
Steamが削除申請を受理するまでには、まだ数日かかると思われる。その間、削除予定のゲームを好んで蒐集する人々が群がるかもしれない。しかし、懸命な諸氏は静観するのが望ましいだろう。また、既存購入者は削除後もそのまま遊べるので安心して欲しい。
最後に、もう1つのクラウドファンディングについて言及しておく。
鳥取応援!地域紹介型アドベンチャーゲーム「WAS〜レピドプテラの砂時計~」第2弾 (makuake) (web魚拓)
英語版と時を同じくして日本国内で支援金を募っていたWAS第2章は、Sekai Projectが一切関わっていない。故に今回のように彼らパブリッシャーからの救済は受けられない。
更に言うならば、こちらは"即時支援型"の出資である。"達成後支援型"とは異なり、出資した時点で契約成立。例えプロジェクトが失敗しようと音信不通になろうと返金は叶わないのである。金額の大小は関係ない。
また、開発元の株式会社Eostreは、2018年9月6日、鳥取地裁において破産手続きの開始決定を受けた。
(株)Eostre(鳥取)/破産手続き開始決定 (JCNET)
破産管財人は小松哲也弁護士。破産債権の届出期間は2018年10月9日まで。報告集会の期日は2018年11月27日14時10分となっていた。
そして2019年3月20日、精算の終了等により登記記録が閉鎖された。2015年10月5日の法人登記から3年半である。
法人番号8270001006706 株式会社Eostre 変更履歴 (IR BANK)
つまり、会社が消滅してしまったので、出資したお金は戻って来ないし、続編新作もお蔵入りとなった。クラウドファンディングで出資する時は、支援先の団体を良く見極めたうえで行いたい。