WalkOVR

カワイイムーブが捗るWalkOVRについてのまとめ

VR用足踏み移動デバイスWalkOVRについての情報をここにまとめる。随時更新予定。

WalkOVR(ウォーク・オーブイアール)は腰、太もも、足首、計5つの加速度センサーにより動きを検出、VR世界での移動を可能とするデバイスである。モーションキャプチャー機能の実装も明言しているが、2021年1月末現在、未実装である。日本国内代理店は存在せず、トラブル防止の観点から公式サイトでの直販主義を貫いている。定価は249ドル。セール時は20%オフ199ドル。送料は一律23ドルである。製品は即日発送され、速達で2~3日中には到着する。

(少し残念な)日本語字幕付紹介動画

スペック(簡易版BasicとLITEは除外)

パッケージ内容腰センサー x 1個 / 足センサー x 4個 / 腰バンド x 1本 / 足バンド x 4本 / 腰-足接続用microUSBケーブル x 4本 / microUSB-USB-A充電ケーブル x 1本 / USB-A延長ケーブル(BTレシーバー電波干渉対策用) / 専用ソフトウェア / 製品合計重量220g
センサーモジュール重さ:不明 / 寸法:腰82mm x 44mm x 18mm、足59mm x 35mm x 16mm / 素材:ABS樹脂、LEDライト / 6軸センサー(6DoF) / 反応速度15ミリ秒未満 / 腰に充電&拡張microUSB端子 x 2
通信方式腰センサー:Bluetooth 4.2 (BLE) 対応プロトコル GAP、GATT、L2CAP、SMP / 足センサー microUSB 2.0 / 推奨通信範囲:最大3.3m / 技適取得予定(未定) / PCにBluetooth機能がない場合、別途汎用レシーバー(USBアダプタ)必須
バッテリー種類: リチウムイオンバッテリー / 容量:750mAh / 持続時間:4時間以上使用可能 / モバイルバッテリー接続可能
対応HMDOculus Rift (S) / HTC Vive (Pro, Cosmos) / Valve Index / Windows MR / Pimax他SteamVR対応製品 / Oculus Go / GearVR / Oculus Quest (Quest Link) / PS VR(CronusMax)
ソフトウェアSteamVR互換 / API公開予定 / Unity、UE対応SDK公開予定 / キーボードモード、ゲームパッドモード
価格定価249ドル(27,065円) / セール199ドル(21,630円) / 送料 一律23ドル(2,516円) ※為替変動あり

特徴

最大の特徴は、何と言っても5点センサーによるトラッキングであろう。加速度センサーを利用しているが、単純な移動検知ではなくモーションキャプチャー技術による歩行だと主張している。歩行だけであれば最高3点のセンサーで十分足りるわけで、この主張には少なからず説得力がある。出自もモーションキャプチャースーツだそうだ。

接続方法は独特で、ベースとなる腰センサーから、太もも、足首までの足センサーをUSBケーブルで有線接続する。腰センサーはBluetooth通信でPCと無線接続される。何とも中途半端なワイアレス接続である。

WalkOVR接続方法

しかし、これには訳がある。無線部を腰センサー1つに集中させることで、PCとの通信の安定化を図っているのである。バッテリーも腰にしか搭載されていない。センサーの数だけ充電せずに済むのだ。足センサーのコスト削減にもつながる。この仕様のため、一部有線接続となっている。これをメリットと見るか、デメリットと見るかは人それぞれだが、面白くも堅実な試みではないだろうか。

持続時間は4時間と少々短いように感じられる。だが、モバイルバッテリーを接続したままのプレイも可能だ。腰に1つぶら下げれば良い。先のバッテリー一元化の恩恵が見事に表れている。

また、立位だけでなく、椅子に着席したままでも遊べる。

しゃがむのに苦労しそうだが、こうして事前に一例を示してくれるのはありがたい。

ちなみに前進だけでなく、横移動や後退も出来る。上半身を反らしながら足踏みする。

対応機種

SteamVR (PC必須)HTC Vive / Qculus Rift (S) / Windows MR / Valve Index / PIMAX その他 / Qculus Quest (Quest Link)
キーボードモードPS VR (CronusMax経由)
ゲームパッドモードOculus Go / Gear VR

キーボードモード、ゲームパッドモードは移動だけのサポートである。SteamVR対応機器ではモーションキャプチャー機能の実装を予定している。Oculus Questは少々特殊で、PCが無い完全スタンドアローン状態ではWalkOVRを使えない。SteamVR対応ゲームをQuest LinkやVirtuak Desktopでストリーミングする形だ。WalkOVR自体はPCと接続する。

クラウドファンディングから今までの流れ

2019年5月13日

WalkOVRクラウドファンディング開始

米スタートアップ企業WalKOVR社が、小型VR歩行デバイスの出資をKickStarterで募る。発表当時、世界最小最安。ストレッチゴール2(250,000ドル以上)にモーキャプ機能が記載されていた。4時間で最低目標額25,000ドル達成

国内向けプレスリリースと共に爆発的に認知される

VRパラダイスを筆頭にGame*SparkMoguraVRCNET Japanが記事を公開。VRイノベーターが拡散し大勢の知るところとなる。

2019年5月14-31日
2019年6月4日

WalkOVR体験レポが登場

5月29-31日に開催されたAWE USA 2019に出展されていた本機器をMoguraVRが独自体験。動画と共に記事にまとめる

モーキャプ機能解禁宣言

ストレッチゴール250,000ドルの半分しか満たしていないにもかかわらず、突如、モーションキャプチャーの実装を約束する。更に5点トラッキングがいかに優れているかを再度力説。同10日、遅れて出資を募りだした、より安価なKAT locoに対抗するためと思われる。

2019年6月10日
2019年6月12日

KickStarterでのファンド成功

676人の出資者から131,017ドルの資金を調達する。出資価格は送料別119~199ドルだった。定価249ドル表記あり。国別出資者は米国245人、日本132人、イギリス29人。19.5%が日本人と言う驚きの結果。ほぼVRChat民かカワイイ・ムーバーである。

公式サイトで予約開始

KickStarter終了につき、公式サイトで予約直販開始。特別価格199ドル。日本への送料は20ドルだった。

2019年6月13日
2019年7月15日

出資者アンケート開始

出資者へテスト品を即時量産して送るか、製品版設計完了まで待つかアンケートを募る。結果、製品版筐体の設計完了を待つことに。出荷時期が9月から10月以降へ延びた。また、機能限定版を出して欲しいか訪ねていた。

サイトリニューアル、製品版写真公開

サイトを刷新し、製品版の写真を公開する。公式ストアでユーモア溢れるマグカップやTシャツを売り出す。

2019年9月10日
2019年9月10日

IndieGoGoでファンド開始

既にファンド成功しているため、こちらはAll-in方式で募集開始。ファンド失敗は起こらない。実質、予約直販扱い。これと前後して公式サイトでの直販を停止。2020年3月末まで募集継続されると思われる。

WalkOVR簡易版の予約開始

IndieGoGoでのファンディングに、歩行機能のみに絞ったWalkOVR簡易版を公開、予約を募る。1デバイスだけのWalOVR Basicと、2デバイスのWalkOVR LITEである。通常の5センサー版は今まで通り"WalkOVR"として予約を受け付けている。ややこしい。

2019年9月10日
2019年9月23日

Campfireで国内ファンド開始

Campfire協力の元、日本国内向けにクラウドファンディング開始。内容はIndieGoGoと同じ。こちらは消費税、送料込み。しかし、なぜかAll-or-Nothing方式で募集してしまう。目標金額を達成できなければ予約取り消しである。

パッケージ写真公開

外箱の写真を公開する。センサー取り付け用ストラップは別途製造中とのことだった。

2019年10月7日
2019年10月10日

日本語での更新情報を提供

Campfireと日本人向けに、日本語で外箱の写真を公開する。だが、Google翻訳そのままに近く、謎の日本語となってしまう。カワイイ。

Campfireでの募集終了

キャンペーン失敗。目標額80万円に届かず。11人出資。全額払い戻し。IndieGoGoで再予約して欲しい旨、告知される。

2019年10月29日
2019年11月7日

キックスターター及びIndieGoGo出資者へ出荷予定日告知

11月第3-4週を予定。全て追跡番号付き特急便で発送。基板実装と組立て、箱詰めはこれから行うと案内された。

住所確認メール届く

発送先住所の確認メールが全員へ届いた。第一、第二バッチと小出しにせず、出資順に次々と発送することが示される。また、名の知れた国際配達業者を使い特急便で送るとされた。ライバル製品KAT locoの少量製造発送スタイルを意識しての発言だと思われる。

2019年11月18日
2019年12月5日

出荷開始、今後の予定を告知

12月5日に発送開始を宣言。機能面ではジャンプとしゃがみ移動の実装を計画中とした。モーキャプとSDK公開は2020年に延期。ゲーム毎に動作を変えるゲームプロファイル機能は次期ソフトアップデートにて追加される。初回リリースではキーボードモードでのみジャンプが可能。

発送先最終確認メールが届く

発送先住所が合っていれば返信不要。日本からの入力だとState欄が空になっているが、気にしてはいけない。

2019年12月6日
2019年12月12日

出荷に遅延発生

在庫は全て準備出来たものの、想定以上の物量につき、配送業者が荷受け日を再調整。WalkOVR社も「明日に来てくれることを期待してる」と、もはや神頼み状態だった。一気に出荷するのも問題が大きいようだ。

製品発送開始

13日の金曜日には一部の出荷を完了。登録電話番号へSMSにて追跡番号が届き始める。配達業者は国際便のDHL。日本へは平均3日以内に到着予定。実際の国内配達は佐川急便が担当する。

2019年12月14日
2019年12月16日

出荷遅延再び、真相判明

CEOによるメールによると、出荷量、予定日を事前通知し、発送先も全て通達していたにも関わらず、メイン配送業者のFedExがごねて集荷に来ない事が判明。公平に一斉配送させるため辛抱強く耐えていた。が、さすがにこれ以上待てないので、DHL分180個を先行発送。バッカーIDは300番台、500番台とマチマチ。どの業者かは運である。日本でも先行受取者が多数。ちなみに、東ヨーロッパで製作されており、トルコとブルガリアからCEO個人名義で送られてくるらしい。

発送及びアカウント作成メールが届く

発送されると登録メールアドレス宛に発送メールが。その翌日には、OVR portalアカウント作成メールが届く。更に1~2営業日以内に配送業者から登録電話番号へSMSで追跡番号が届く。届かない場合もある。発送完了メールの3営業日以内には到着する模様。

2019年12月16日-28日
2019年12月末

技適未取得が判明

日本人出資者がお通夜モードとなる。問い合わせする人多数。

沈黙が続く

2020年1月10日以降、未出荷の出資者へ発送作業は行っているものの、SNSや出資者ページ等、ほぼ全てのチャンネルで沈黙が続いている。

2020年1月末
2020年3月26日

広報再始動

長らく沈黙していたが、開発は続いていたようだ。ソフトウェアアップデートと今後の予定をメールで通知してきた。CEO自らDiscordチャンネルも開設。コロナウイルスの影響下で奮闘しているVR開発者を支援する活動も始める。

4月のアップデート予定通知

リクエストが受け入れられたのか、月イチで活動報告をしてくれるようになる。ソフトウェアOVRPortalがv1.5に。この1.5系で歩行機能の初期実装は完了する予定。

2020年4月16日
2020年5月5日

5月アップデート通知

ソフトウェアv1.5.1の公開。及びv1.5.2とファームウェアアップデートの予告。6月頃のv1.60よりモーキャプ実装。

未だモーションキャプチャー未実装

月1~2回の細かなアップデートがあるものの、モーションキャプチャー実装は遅々として進まない状態が続いている。

2021年1月27日

モーションキャプチャー機能

元々、モーションキャプチャースーツだったものを簡略化したのが、このWalkOVRである。FAQに以下のような回答がある。

WalkOVR is a wearable motion system that using motion capture algorithms and lets you move in Virtual reality based games and applications.

What is WalkOVR?

そして、当初からストレッチゴールの2番目に、VRChatを想定したSteamVR互換モーションキャプチャーの実装を宣言していた。なので、相当な自身があるのだと思う。ライバルが現れた途端に解禁したのは少々大人げないが、ストレッチゴール2に到達せずとも後々追加する予定だったとのこと。つまり、"どうせ実装するなら今宣言して、残りの出資期間で沢山資金を集めよう"と言うわけだ。

実装時期は2020年初頭とされていた。KickStarter分の出荷が当初予定の9月より3ヵ月遅れたため、更にコロナウィルスによる世界的なパンデミックの影響もあり、2021年1月末現在も未実装のままである。

キャプチャー性能に関しては、標準セットでも腰、太もも、足首の充実5点センサーとなることから、特に膝の精度は高いと思われる。勿論、実際に公開されるまではわからない。わからないが、カワイイ・ムーブには冒険も必要だ。2セットで全身10点トラックも構想しているらしい。

ガチコイ トゥエルちゃん

なお、SteamVRを通して実現させるため、先にも説明したが、キーボードモードのみのOculus Go、PS VRではモーションキャプチャー機能が使えない。また、Oculus Questは内部非公開のクローズボックス状態で、完全スタンドアローンでは外部機器が使えないのだ。つまり、Oculusが技術を公開しない限り、ネイティブアプリによる実装は難しいようだ。これにはQuestユーザーはガッカリかもしれない。しかし、Oculus linkが登場したことにより、SteamVR対応機器としてQuestでカワイイ・ムーブが出来るようになっている。結局、モーキャプにはPCが必須となる。

購入方法

WalkOVR公式サイト定価249ドル、もしくはセール中なら特別価格199ドルで購入可能。送料は一律23ドル。
IndieGoGo全て英語。将来モーキャプが解禁されるのは、21,630円の無印WalkOVR。6,413円のBasicと8,587円のLITEは足踏み移動のみなので注意されたし。また、為替変動で毎日価格が小刻みに変わる。近い価格のものを探し出して欲しい。無印版は出資者が一番多いので判断できると思う。 2019年12月現在、一時停止中。
CampfireCampfireの協力により完璧な日本語での提供。25,000円の無印がモーキャプ対応版。12,500円、19,000円は足踏み移動のみの2センサー版LITEである。設定ミスなのか、目標額80万円を達成できずキャンセルになった。

2021年1月末現在、購入できる場所は公式サイトからの直販のみだ。送料は一律23ドル。2020年中頃までは、追加ストラップやUSBケーブル、マグカップやTシャツも販売していたが、今は買えなくなっている。 送料は一律23ドル。 CEO曰く「手続きに時間がかかるが、Amazonマーケットプレイスでも可能なら販売したい」とのこと。代理店予定は無し。

サポート

全て英語でのやりとりとなる。日本語ページを作成していることから、出資者が2番目に多い日本を手厚くサポートしているように感じる。が、WalkOVRはGoogle翻訳そのまんまに近い日本語ページを公開しているので、日本語に堪能なスタッフは少ないと思われる。日本語での意思疎通は難しいだろう。

まとめ

より安価なVR用移動デバイスの登場で当初の勢いが削がれてしまった感はあるものの、モーションキャプチャーシステム由来と言うことで、5点センサーのWalkOVRには期待したい。直販をモットーとしているため、今のところ迷惑な空売り転売業者も存在せず安心である。しかし、モーションキャプチャーが目当てなら実装されるまで待つのが正解。歩行もやりたいなら今すぐに公式サイトから購入しよう。但し、2021年1月末現在、技適未取得であるため国内での使用は注意されたい。WalkOVRの技適特例を申請する方法を別途記したので確認のこと。

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