携帯電話のカメラ、光と影

殆どの人々が所持しているカメラ付き携帯電話。その発明者がハイテク業界の雄フィリップ・カーンであることは「BorlandからCodeGearへ」に書いた通り。期を同じくして、彼はメディアの取材に答えていました。

カメラ付き携帯の発明者が語る、写真共有時代の文化的影響(ITmedia)

「思い出をとらえてそれを共有する手段が常に存在する。レストランに行けば、誕生日でみんながおもむろにカメラ付き携帯を取り出す。驚くべきことだ」(同氏)

1997年の発明から10年で、ここまで劇的に変化するとは、本人も思っても見なかった事でしょう。家族の写真を送りたい一心で閃いたアイディアが、世界中の人々に受け入れられたことは喜ばしいです。

しかし、その性急な変化に怖れも感じているようです。確かに、イジメや性犯罪に使われたり、ハッピー・スラッピングと言われる暴行行為にも使われてしまいました。便利ということが安易な犯罪を誘発している節も感じられずにはいられません。

訴訟のきっかけとなることもある。カリフォルニア大学ロサンゼルス校では警察官がスタンガンを使って学生を逮捕する様子が携帯カメラで撮影され、後にこの学生が、武器の過剰利用で警察を提訴した。また、変化を促す媒体ともなった。マレーシアでは、女性受刑者が裸でのスクワットを強要されていたことが、携帯カメラで撮影された映像により発覚、警察の行為に対する政府の調査が入った。

別次元では、親は(財布に入れた写真ではなく)携帯電話のスライドショーで子供の写真を見せびらかし、若者は自分の人生の通過点を携帯カメラで記録し、その場で写真を共有している。

逆に、いつでもどこでも便利に撮れるため、犯罪の証拠にもなり、また、生活に潤いを与える事も出来ます。使い方次第で良い事も悪い事も出来てしまう。それ故に使用者のモラルが問われます。
私の携帯も、低価格コンパクトカメラ並の撮影能力を有しています。観光先でメインカメラのバッテリーが切れてしまい、予備カメラとしてその性能を発揮してくれました。貴重な思い出を綺麗な画質で残してくれた事に感謝しています。今後も良い事に使っていきたいですね。

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